新たな世論調査結果「選択的夫婦別姓導入28.9%」が示す「意見書可決の根拠破綻」

法務省民事局「いろいろな立場の方から『わかりにくい』の声があった」「過去の選択肢の大枠を踏襲」

 法務省民事局の担当者は、取材に対して「これまでの世論調査の選択肢の大枠を踏襲した」「一定程度、これまでの調査を継承して国民の意識を把握できるようした」と説明しています。

 さらに、選択肢の表現を変えた理由については「これまでの選択肢は『わかりにくい』という指摘があった。その指摘は、特定の立場の方からのものではなく、いろんな立場の考えの方からいただいた」と明言しています。つまり、選択的夫婦別姓制度を推進する立場の人たちからも、「わかりにくい」という意見があったことを示しています。 

 今回の新しい世論調査の結果に、私たちが質問状を出した議会でも、その狼狽ぶりがうかがえます。ある議会事務局に非公式に問い合わせたところ、「議会では先生方の間で話題にはなっています。でも、それと、これとはまた別だと言っておられてーーー」いう反応がありました。平成30年2月の世論調査の結果を自分たちに都合よく“加工”して「国民の圧倒的多数が選択的別夫婦別姓制度導入に賛成・容認」と意見書に書き込んだものの、4年後の今回の世論調査で根底から覆されたわけですから、ショックは大きいと思います。

新たな世論調査結果「選択的夫婦別姓導入28.9%」が示す「意見書可決の根拠破綻」

 各議会の個々具体的な回答を紹介する前に指摘して起きたいのは、4年ぶりに新しく行われた内閣府世論調査(参照:当サイト新着記事「同姓維持の通称使用法制化激増」)の結果によって、問題の意見書を可決した議会の主張の「論理破綻」がより明確になったということです。

 繰り返しになりますが、令和4年3月25日に内閣府が発表した「家族の法制に関する世論調査」の結果は次のようなものです。

1.現在の制度である夫婦同姓制度を維持した方がよい 27%
2.現在の制度である夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設
けた方がよい 42.2%
3.選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい 28.9%

 この選択肢の「2」は、前回平成30年2月公表の選択肢「イ」の「夫婦が婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望していても、夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだが、婚姻によって名字(姓)を改めた人が婚姻前の名字(姓)を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては かまわない(24.4%)」に対応するものです。

 これに対し、選択的夫婦別姓制度導入の急先鋒である野田聖子・女性活躍担当内閣府特命担当大臣は「非常にわかりにいくい」などと批判していますが、誰が読んでも「わかりやすい」のは一目瞭然です。内閣府特命担当の野田氏が、内閣府の世論調査に注文をつけるのもは変だと思われるかもしれませんが、実際に「家族の法制に関する世論調査」を所管するのは法務省ですから、世論調査の結果を聞かされて野田氏が慌てふためいたというのが真相でしょう。

 

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